法人税 申告の利便性
送金たとえば,買主である甲地のAが売主である乙地のBに送金する場合,@Aは甲地のC銀行甲支店(仕向銀行)に現金を払い込んで送金を依頼し,AC銀行(甲支店)に,乙地にあるC銀行乙支店または取引銀行であるD銀行(被仕向銀行)を支払人,Bを受取人とする為替手形を振り出してもらい,BAがこの手形をBに送付すると,CBは乙地でC銀行乙支店または取引銀行であるD銀行にこれを呈示して,D手形の支払を受ける。
これにより,BはAから直接に送金を受けたのと同様の効果を収めることができる。
為替手形の代わりに,小切手が送金のために利用されることもある。
すなわち,銀行が送金の依頼人から資金を受け取って,自行の本支店または他の銀行に宛てて小切手を振り出す場合であり,これを送金小切手と呼んでいる。
為替手形が主として国際送金に用いられるのに対して,小切手は国内送金に利用される。
なお,国内送金には,他に郵便為替や電信為替,振込などの方法もある。
(b)取立たとえば,甲地乙地にいるAB間の売買の場合,@乙地の売主Bは,自己を振出人兼受取人とし,甲地の買主Aを支払人とする為替手形を振り出し,ABはこの手形をD銀行乙支店で割り引いてもらいその対価を取得し,直接Aから支払を受けたのと同様の効果を収めることができる。
この場合,BD銀行乙支店はその手形を甲地のD銀行甲支店または取引銀行であるC銀行に送付して,C為替手形をAに呈示して,DAからその支払を受けて割引の対価を回収することになる。
このように債権取立の目的に利用される手形を取立手形という。
(c)荷為替手形荷為替手形は,隔地者間の取引において利用されるもので,運送証券(船荷証券または貨物引換証)が手形に添付され,これによって,手形の支払が担保されている為替手形である。
たとえば,乙地の売主Bが甲地の買主Aから商品代金の支払を受けるために,@売主Bは,自己を振出人兼受取人,買主Aを支払人とする為替手形を振り出し,A手形の支払を担保するため甲地の買主Aに向けて運送中の物品について発行された運送証券(船荷証券または貨物引換証)をこの手形に添付して,乙地のC銀行に手形を割り引いてもらい売買代金を回収する。
BC銀行は,甲地にあるD銀行(またはC銀行甲支店)に手形と運送証券を送付し,CD銀行が手形をAに呈示して,DAから手形金の支払を受けると同時に(支払渡し,D/P),またはAが手形を引き受けるのと引換えに(引受渡し,D/A),E運送証券をAに交付する。
FAは運送証券と引換えに運送人から商品を受け取るわけである。
小切手は,振出人が処分できる資金(当座預金)のある銀行を支払人とし,その資金を小切手によって処分できる旨の契約(小切手契約)に従って振り出されることが,法律上要求されている(小3条)。
すなわち,振出人はあらかじめ支払資金として銀行に預金をしておいて,この預金から小切手の所持人に対して支払をすることをその銀行に委任する契約を結ばなければならない。
このような小切手の振出人と支払銀行との間の資金関係に関する契約を当座勘定契約という。
この契約は振出人と支払銀行との間の取引開始の合意によって成立し,両当事者は「当座勘定規定」(これは当座勘定契約の内容を定めたもので,以前は全銀協のひな形が採用されていたが,現在では各行によってそれぞれ制定されている)によって当然拘束されることになる。
当座勘定契約では,顧客は小切手の振出に用いる印鑑(および署名鑑)を銀行に届け出て,小切手帳の交付を受けて,これにより小切手を振り出し,銀行は当座預金を資金としてその支払をすることになる。
手形においては,小切手のような制限はないので,約束手形の振出人(為替手形の引受人)が,自己の営業所または住所で支払をすることもできる。
しかし,実際には,特定の銀行店舗を支払場所として手形に記載する(手77条2項・4条)のが普通である(統一手形用紙には支払場所に特定の銀行店舗名が印刷されている)。
この場合,これら手形がその銀行店舗によって支払われるためには,小切手の場合と同様,振出人(引受人)はその銀行店舗との間で,当座勘定契約を締結しておかなければならない。
手形・小切手の所持人は,手形の支払担当者である銀行または小切手の支払銀行に自ら支払呈示して,その支払を受けることができる。
しかし,それは困難であり煩雑でもある。
そこで,所持人は手形・小切手の支払を受けるため,自己の取引銀行に手形・小切手を預金として入金して(他店券入金),その取立を委任する方法を利用している。取立を依頼された取引銀行もまた,支払担当者または支払銀行に直接支払呈示することはなく,手形交換所で支払呈示して(手38条2項・77条1項3号,小31条),その取立を行う。
手形・小切手は有価証券の一種である。
有価証券にはこのほかに,株券,社債券,貨物引換証,船荷証券,倉庫証券などがある。
有価証券の定義をめぐっては,諸説あるところである。
従来の通説は,有価証券とは,財産的価値のある私権を表章する証券であって,権利の発生・移転・行使の全部または一部が証券によってなされることを要するものと定義していた。
最近では,有価証券における権利と証券の結合を重視して,有価証券とは,権利の移転または(および)権利の行使に証券を要するものと定義する見解が有力である。
しかし,手形および小切手は,証券に表章された権利の発生・移転・行使の全部が証券によってなされる必要がある有価証券(完全有価証券)であると解することには異論はない。
これを約束手形におきかえて説明すると次のようになる。
(a)「権利の発生が証券によってなされることを要する」というのは,約束手形は振出人に対する一定の金額の支払を請求する権利(手形金請求権)を表章しているが,この権利は手形を作成することによって初めて発生する,ということである。
すなわち,手形金請求権の発生には,証券の作成が必要となる。
(b)「権利の移転が証券によってなされることを要する」というのは,手形金請求権を譲渡または移転する場合には,約束手形なる証券を譲受人に必ず交付しなければならない,ということである。
通常の債権(指名債権)は譲渡当事者問の合意によって移転され,債務者に対する債権譲渡の通知または債務者の承諾は対抗要件にすぎない(民467条1項)。
しかし,手形金請求権を譲渡するには,譲渡当事者問の合意だけでは十分でなく手形の交付が必要であり,手形の交付があるまではそれは譲受人に移転しないのである。
(c)「権利の行使が証券によってなされることを要する」というのは,手形金の支払を請求するには,必ず約束手形なる証券を債務者である振出人に呈示しなければならない,ということである。
手形は裏書(あるいは交付)によって転々と譲渡されるから,手形債務者は,手形金の支払を請求する者が権利者かどうかを確認する必要がある。
他方,支払を請求する者は,自己が権利者であることを証明する必要がある。
そこで,手形法では,その支払を請求するためには手形の呈示が必要とされている。
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